そして男は時計を捨てた・・・

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Picture book 「 改良」

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「改良」 (著・遠野 遥 河出書房新社)



分かりやすい枠組みを作れば、必ずその枠組みから外れる人間が現れて、やがてそれは見過ごされていきます。そして、世の中にはどのカテゴリ-にもなじまない人が常に存在するという当たり前の事実を思い知るのです。



本作の主人公は間違いなくそうした名前すらないマイノリティ-であり、マイノリティ-であることを指摘されてもなお心の何処かで違和感を持ち続けている個人です。



コ-ルセンタ-でアルバイトする大学生の「私」。その私は、女性のように自分を美しく着飾ることをひそかな趣味にしています。アルバイトで稼いだお金を風俗嬢のカオリにつぎ込み、そのうち自分の姿を誰かに見せたいという気持ちが高まっていきます。


しかし、見られることに躊躇し、結局はその日その日をただぼんやりとやり過ごします。


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主人公は視覚的な美に執着し続ける半面で、視覚的な要素がない声を使う仕事をこなし、訪ねた同僚女性の部屋でさえ、身体的なつながりを恐れて声だけを聞き続けます。



そして、最後に彼は傷つけられます。暗闇の中に響き渡る声にです。声の源をたどれば実存しているのは自分の身体です。


主人公の最後にとった行動の後で何が起きたのか?それは読む者の解釈に委ねているのでしょう。



主人公が求めたのは美か、いや、もっと別のものだったのでしょうか?