そして男は時計を捨てた・・・ひとり編集長の冒険

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Picture book 「ブラックウェルに憧れて」

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「ブラックウェルに憧れて」 (著・南杏子 光文社)



2018年に日本に衝撃を与えた東京医学大学の不正入試問題。その後も複数の大学医学部で女性たちを意図的に減点していた事実までもが発覚し、日本の医学部における強固な女性差別構造を指し示す大きな切断面となり得ました。



この作品は、この不正入試問題をモチ-フにして、女性教授の城之内泰子と、彼女の解剖学教室でチ-ムを組み学んだ4人の女子医学部生たちの人生の行路を描きます。



大学附属病院で、高いオペの技術を誇る眼科医となった長谷川仁美。自分より技術が劣る男性の後輩医が先にリ-ダ-に選ばれてしまうなどして医局で不遇を受けます。あげくの果てに、露骨なセクハラも・・・



シングルマザ-で大学附属病院の循環器内科だった坂東早紀は、父の認知症を契機に介護との両立のためにフリ-ランスの健診医に転身します。



救命救急医だった椎名涼子は、勤務する救急科廃止や医師である夫との不仲などの中で、海外で病気になった邦人を日本に送り届けるエスコートドクタ-の依頼を受けて、新天地を目指します。



新生児科医の安蘭恵子は、勤務中に深刻な体調不良に見舞われ、患者である新生児の命を危険にさらしてしまいます。彼女はこれをきっかけに辞職を決意するのですが・・・




物語は彼女たちの現在と過去の学生時代を行き交いながら、泰子がなぜ4人をチ-ムにしたのか?理由が明かされます。



タイトルは、女性として世界で初めて公式に医師登録されたエリザベス・ブラックウェルから取られました。彼女の高い志を示す言葉が随所に挿入され、医学部の女性差別的な構造との対照を描き出します。



男性医学ならば、問題にされることのない専門科の変更、女性は「逃げた」「無責任」と揶揄され、教授に就任すれば「学長の愛人」とウワサされてしまうなどの不条理。



命を扱う現場にまん延する不公正さ、登場する男性医師たちがそれらを全く問題視しない描写は、フィクションであって欲しいと思わずにはいられません・・・