そして男は時計を捨てた・・・ひとり編集長の冒険

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Picture book 「 サラリ-マン球団社長」

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「サラリ-マン球団社長」 (著・清武英利 文芸春秋)



本書は、野崎勝義と鈴木清明という2人のサラリ-マンが意に反して球団経営のトップになり、苦悩と葛藤の果てにどのようにして球団を優勝させていったのかを描き出したノンフィクションです。



本の冒頭で衝撃的な場面があります。それはファンも選手も狂喜乱舞した2010年にロッテが日本シリ-ズ進出を決めた時、オ-ナ-は球団社長をこう怒鳴り付けました。


「そんなことは、どうだっていいんだよ!」


「困るんだ。赤字はどうなるんだ!」



つまり、このままいくと選手たちの年俸を上げてやらなければならなくなるからです。



ファンが一口に「フロント」と呼ぶ舞台裏で、このような人間模様が渦巻いているのです。



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野崎は阪神電鉄の旅行部長であり、31年間、航空営業一筋でやってきました。しかし突然、タイガースに出向させられることになります。野崎は野球に対してはずぶの素人だったのです。


当時の阪神はぬるま湯に浸かりきっていました。野崎はその中でスカウト方法の刷新を急務と考え「シド・スリフト理論」を導入しようとします。それは選手の能力を細かく分析して数値化し、一元化するというものでした。



著者は球団改革の努力と抵抗勢力の動きを実に丹念に描写しています。そして2003年、阪神タイガースは18年ぶりのリ-グ優勝を果たすこととなります。



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一方の鈴木も、自動車メ-カ-の経理部員でした。しかしその創業者一族からの強い要請を受けて、広島カープに身を投じるのです。



広島の抱える苦悩は誰もが知る通り、せっかく育てた主軸の選手を他の球団に引き抜かれてしまうことにありました。鈴木はその度に粘り強く選手と話し合いを行ってきました。そのうち、新球場の設立とともに、経営は飛躍的に改善されていきました。そこに黒田博樹選手が、20億円というメジャ-球団のオファーを蹴って広島に戻ってきます。そして黒田選手の復帰後、球団は25年ぶりのリ-グ優勝を遂げるのです。



選手が中心になりやすいスポーツノンフィクションの中でオ-ナ-や球団代表などを立体的に描きこんでいて、スポーツというジャンルすらも超えているような一冊になっています。