そして男は時計を捨てた・・・ひとり編集長の冒険

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中国の無形文化遺産登録数は世界一 その理由は何?

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国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)は2020年12月17日、中国が申請した「太極拳」と沿岸部の民間儀式「送王船」(マレーシアと共同申請)を無形文化遺産に登録しました。


中国の無形文化遺産はこれで42件を数え、登録数は世界一を誇ります。ではなぜ、中国の無形文化遺産はこれほど多いのでしょうか?


無形文化遺産とは「慣習、描写、表現、知識および技術ならびにそれらに関連する器具、物品、加工品および文化的空間であって、社会、集団および場合によっては個人が自己の文化遺産の一部として認めるもの」と定義され、2003年に無形文化遺産保護条約がユネスコ総会で採択されました。


中国の登録リストを見ると、まずは「歴史の長さ」が強みといえます。3000年以上の歴史がある古琴、2000年以上前に始まった端午の節句の他にも、篆刻(てんこく)技術、中国書道、季節の移り変わりを表す二十四節気など、長い年月を経て今もなお社会に根付いている文化が多いのです。



さらに「知名度」。京劇や青磁の伝統焼成技術、絹織物、鍼灸(しんきゅう)術など国内外に知られている伝統が多いことに気付きます。今回の太極拳も世界各国で習得している愛好家は多いのです。



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また、実は「他民族文化の登録」が多いのです。新疆ウイグル自治区の大曲(ムカム)、モンゴル民族の長歌(オルティンドー)、チベット医学の薬湯、フイ族の口承民謡など少数民族の文化・芸術が15件登録され、中国の無形文化遺産の3の1以上を占めています。


中国の少数民族は人口比では8%にすぎませんが合計人口は1億人を超えていて、各民族が代々伝えてきた無形文化遺産が評価されています。


中国の登録ラッシュの背景には、中国政府の後押しもあります。中国は2004年に無形文化遺産保護条約の締約国になって以降、無形文化遺産の調査・保護に力を入れてきました。



2005年には「第1回全国無形文化遺産調査」を実施しました。国、省・自治区、市町村それぞれのレベルで無形文化遺産リストを作成して、伝承人認定制度も設けています。


毎年6月8日を「文化・自然遺産デー」とし、各地で無形文化遺産の展示や実演、フォーラムなどの活動を行っています。無形文化遺産は伝承者の減少や文化の普及の難しさといった問題が常につきまといます。その中でも中国はユネスコが求める「条約義務の履行」を果たしている「優等生」といえるのです。



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多民族国家の中国では「中華民族」という言葉がよく使われます。漢族など特定の民族の枠を超えて、同じ国民という意識、団結心、絆を広めるための概念です。


新しく無形文化遺産が登録されるたびに「中華民族の文化がまた世界に認知された」と宣伝されています。中国において無形文化遺産は国民の一体感を広める役割も果たしているといえるのです。