そして男は時計を捨てた・・・ひとり編集長の冒険

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大迫力のアイスランド火山噴火、間近の火山観光は安全?

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2021年3月下旬、アイスランドのファグラダルスフィヤル火山がおよそ800年ぶりに噴火したことが報じられると、噴火口のある谷に登山客が殺到したのです・・・



もくもくと立ち上る白い噴煙と、どす黒い岩の間をゆっくりと流れる溶岩を目の前にして、写真を撮ったり、ただ座って眺めたり、なかには溶岩の上でマシュマロを焼く人の姿も見られました。



火山が噴火した後の土地は、観光業にとっては宝の山なのです。日本人は1000年以上も前から、火山の近くにある温泉に癒されてきた歴史があります。



西暦79年にベスビオ火山噴火の火砕流によって壊滅した古代ローマの都市ポンペイは、街全体が火山灰に埋もれたために当時のままの状態が保存されていて、17世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパの多くの観光客を引きつけました。



ましてや、今まさに噴火中という火山には格別な魅力が存在するのかもしれません。噴火とは、私たちが目にすることのできる最も原始的な自然の力のひとつなのです。惑星の血管ともいうべき溶岩の流れを間近で見ることは、母なる地球のパワーを感じることに等しいのでしょう。



しかし、噴火中の火山を見に行くことは、危険が伴うと同時に、倫理的な問題があることも心しておかなければならないのです。一生に一度のスリルを感じられるかもしれませんが、逆に命取りになる可能性もあります。



ここ10年ほど、火山観光が急速に注目を集めています。その要因の一つは、ソーシャルメディアの普及と「溶岩追跡者」と呼ばれる人々の存在にあります。彼らは、ベスビオ火山やその他ユネスコ世界遺産指定の活火山など、写真映えのする風景を求めて世界中を飛び回っています。



2020年12月20日に、ハワイ島のキラウエア火山が噴火すると、翌日にはハワイ火山国立公園に多くの観光客が押し寄せました。そのほとんどは地元の住民でしたが、新型コロナウイルス感染症対策が緩和されると、州外からの訪問者も増加しました。場所によって、観光客は溶岩ボートツアーやカルデラの上空を飛ぶヘリコプターツアーに参加したり、火山の斜面をサーフボードで滑り降りたり、溶岩湖の淵まで歩いたりすることができます。



しかし、こうした冒険にはもちろん危険も伴います。火山の噴火は、時に有害なガスを放出し(ファグラダルスフィヤル火山の噴火には、二酸化硫黄が含まれていた)、人の肺を傷つけることがあるのです。また、2010年から2020年の間に、少なくとも1143人が噴火によって命を落としています。



ところが、そうした不幸なニュースが逆に好奇心をくすぐってしまうのか、観光客は減るどころか増え続けています。スリルを求める人々は、災害現場に引き寄せられるように、噴火を見物しにやってくるのです。



マグマの圧力が高まったり、地殻プレートに変化があると、火山が噴火します。プレートの変動は地震の原因にもなります。また、侵食作用や融解した氷河のせいで、ゆっくりと地表が動いてやがて噴火が生じたり、突発的な地滑りで噴火が誘発されることもあるのです。火山活動は世界中の観測所で監視されているため、予期せぬ噴火が起こることはめったにはありません。



つまり、基本的なことを知っていれば、噴火は安全に観察することができるのです。ハワイやアイスランド、イタリアのストロンボリ山など、最も美しい火山噴火は、有難いことに、それほど危険な噴火ではないといいます。



つまり、見物に行く火山の種類を事前に知っておくことが重要なのです。その場所がどれほど危険かは、溶岩の性質によります。柔らかくて流れやすい溶岩は、ゆっくりと流れ出ていきます。一方で、硬く粘り気のある溶岩は、ガスが外に逃げ出しにくいため爆発力が高く、命に関わる危険な噴火を引き起こします。どちらの種類の火山へ行こうとしているのかを知っておくと、自分の身を守ることにつながるのです。



1987年にイタリアのエトナ火山が噴火した時、2人の観光客が命を落としました。当時、研究のためイタリアを訪れていた火山研究家のロペス氏。 彼はそこからわずか1.5キロしか離れていない場所にいました。



「エトナ山のような火山が突然噴火したら、上を見て噴石がどこに落ちてくるのか確認してください。でも、走らないで。まずは噴石から頭を保護するなど、身を守るようにしてください。噴石が地面に落ちた後で、逃げてください」



逆に、ニュージーランドのファカアリ島(ホワイト島)での火山噴火で、命が助かったのは、全力で走った人々だろうと、ロペス氏は言います。


「逃げる前に写真を撮ろうとした人がいました。速く走れなかった人もいたと思います。けれど、あれは危険な山です。突然噴火するだろうことは、科学者たちも予測していました」。



2014年に多くの犠牲者を出した日本の御嶽山の噴火も同じタイプだったのです。こうした噴火には決定的な前兆がなく、危険度はより高くなるのです。



火山観光のなかには、災害に着目した「ダークツーリズム(戦跡や災害被害地など、悲劇にまつわる場所を訪問する観光のこと)」の類もあります。2010年にインドネシアのムラピ山が噴火した際、353人が死亡し、40万人以上が家を失いました。



するとその直後、にわかにツアー会社がいくつも生まれ、火山灰に覆われた村へのツアーを売り出したのです。これには、ポンペイの住民たちの恐ろしい最後の日々を明らかにする、噴火犠牲者の遺体を復元した石膏像やさまざまな痕跡の展示が影響していました。



2018年には、ハワイ島のキラウエア火山が長期にわたって噴火し、約600戸の民家のほか、道路や農場、牧場が破壊されました。その年の5月、まだ住宅地の火が消えないうちから、観光収入は3.3%上昇し、1億7390万ドル(約190億8400万円)を記録しました。サービス業は、観光客のニーズと被災住民への配慮とのバランスをどうやってとるかという難しい問題に直面したのです。



今も噴火が続くキラウエア火山のすぐそばでは、世界最大の活火山であるハワイ島のマウナロア山が目を覚ますその時を待っています。ハワイ火山観測所の地震計は、2021年3月に、1週間でおよそ223回の微弱な揺れを観測しました。



「GPSセンサーによると、地表のすぐ下までマグマが侵入しているために、地面が変形していることがわかります」と、同観測所の地質学者トラスデル氏は警告しています。



「今すぐ噴火が起こるわけではありませんが、住民は備えを始めるべきです」



前回マウナロアが噴火した1984年には、ハワイ島への航空券が24時間以内に完売してしまいました。誰もがみな噴火を見たくてやってきたのです。



トラスデル氏をはじめとする科学者たちには、火山に引き付けられる人々の気持ちが理解できるのかもしれません。また、それによって火山学への意識と関心が高まることを期待しているのです。



例え、そこが危険性が低い場所であっても、躍動する地球の姿を目の当たりにすると、好奇心をかきたてられてしまうのでしょう。しかし、そうした体験によって、私たちが住む地球への畏敬の念が深まることもまた確かなのかもしれません・・・