自分のためだけに生きていけるほど、強くなくなってしまったのは、いつの日か…
自分のためだけに生きていくのは、つまらないと…
自分のためだけに愛しても、寂しいと…
男は夕暮れの公園…ブランコに乗って、ギコギコ…
風にのって、鼻をくすぐった、どこかの夕飯の匂い
はやく、帰っておいで…
そうだね…誰かが待っているから…帰らないといけないよな…
誰かのために生きたからこそ、この背中…
今夜は少したよりなさげで寄りかかりたい
それでも、明日は来るから、ごめん…シャンと正さないと…
外灯のあかり…住宅街の静けさは…コツコツ、コツコツ靴音を響かせる
このムード悪くない…
そうだ、どこかに消えてしまおうか…
いや、今の俺にはそれを悲しむ顔がある…
キラキラ光る星…きっと明日も晴れだろう…
いつもの顔をして、玄関のドアを開ける…今日も誰かのために生きた男…