容疑者を 鉄道 護送 する 際の 方法とは? ――犯人を 運ぶ鉄道 【封印された 鉄道史1】
TABIZINE編集部
旅やお出かけには欠かせない鉄道。1872年に日本初の鉄道が開業してから、人々の足となって、さまざまな歴史を重ねてきた鉄道には、知られざる逸話や口外無用なタブーがたくさん隠されているといいます。そこで、『封印された鉄道史』(小川裕夫・著/彩図社)から、鉄道にまつわる興味深い豆知識を抜粋して紹介します。
殺人事件容疑者の移動は鉄道
2009年11月、千葉県市川市で発生した殺人事件の容疑者が大阪で逮捕された。逮捕後、被疑者は新幹線で新大阪駅から東京駅まで移送された。このとき、新大阪駅のホームに報道陣が押し寄せ、駅はパニック状態に陥った。
重大事件の容疑者が警察の捜査の手をかいくぐり、事件が発生した場所から遠く離れたところに逃亡するケースは多い。その際、逮捕された犯人の身柄は鉄道を使って移送されることがある。
1997年には、愛媛県松山市で同僚のホステスを殺害し、その後、約15年に渡って逃亡を続けていた犯人が時効寸前に福井県で逮捕されたことがあった。この犯人も福井から捜査本部のあった愛媛県松山市までの移動に鉄道が使われている。そこで気になるのが、どのような決まりのもとでこうした鉄道輸送が行われているのか、ということだ。
乗車料金を払うのは誰か?
最初に気になるのは、被疑者の乗車料金である。
現在、被疑者の移送に鉄道が使われるのは、自動車では時間がかかりすぎる場合に限られている。そのため、ほとんどのケースでは新幹線や特急列車が使われる。